型破りの親しみ易さで注目の名古屋・NPOセンター新情報誌『交流感電池』

http://www.news.janjan.jp/area/0809/0809127064/1.php

小宮朗2008/09/16

公的な機関の広報紙や中間支援組織の情報誌は、ともするとあたりさわりのない記事か、助成金やNPO法人の取得方法など、専門的過ぎる内容かで、初心者や一般市民にはとっつきにくかったと思います。しかし、『交流感電池』は、読者ニーズを考えたくだけた内容になっています。

なごやNPOセンターよりユニークな情報誌が発行されています。その名も『交流感電池』です。

この情報誌を出している「なごやボランティアNPOセンター」は、名古屋市が設置した官設のNPOセンターです。NPOセンターというのは、NPO活動や市民活動をする人たちが利用できるもので、印刷ができたり、イベントの時に部屋を借りることができたり、ロッカーを借りたりすることができます。

また、NPO活動やボランティア活動についての相談員がいて、いろいろと相談することができます(このような施設のことを「中間支援組織」と呼ぶそうです)。規模や内容は施設によってさまざまで、印刷機やロッカーのないところもあるようです。運営形態は、民設民営、官設民営、官設官営など、いろいろとあり、全国各地にできています。

名古屋のセンターは、当初は名古屋市の直営の施設でしたが、現在は指定管理者制度を導入して、民間の組織が運営しています。このような運営形態のことを「官設民営」と呼ぶそうです。このセンターの指定管理者は、今年4月に変更が行われました。このことは、当時『JanJan』でも話題になっています。

効率重視?指定管理者制度で「なごやボランティアNPOセンター」職員総入れ替え

新しい情報誌は『交流感電池』という名前で、5月から発行されており、現在は7月号まで発行されています。主に名古屋市内の図書館や生涯学習センターなどで配られているようですが、一部は熱心なファンや友人達の手によって広められ、都内のアンテナショップやライブハウスなどでも入手することができます。

さて、この『交流感電池』ですが、このNPOセンターでは、今まで『ボラんぽ』という情報誌を出していたようですが、それに比べると、かなり「変わった情報誌」になっています。

まず目に付いたのは記者による市民団体代表者へのインタビュー記事です。NPOに興味があり、何かしらの関わりを持ちたいけれど、団体名だけみても何をしているのかわからないし、わからないところに入っていくのはちょっと怖い、そういった人もこの記事を読むことにより、それぞれの活動に携わる人たちの考えに触れることができます。NPOで大事なのは人と人との繋がりで、団体を構成しているのも結局は「人」です。だからまずはそうした「人」を知ることが、関わりの第一歩になります。これまでの情報誌では団体の紹介はしていても、人の紹介はあまりしていなかったので、そういった意味でこういった記事は画期的です。

また、内容は市民活動の紹介だけでなく、市民活動全般、市民の興味のあること全般に渡っています。例えば、6月号では、まちづくりとアイヌ民族の特集。国会での先住民族決議の直前に、決議の問題点やG8について書かれている記事には臨場感があります。7月号ではネットカフェ難民の自立支援団体や、長く地域でホームレス支援をしてきた人、氷河期世代の若者の運動などを扱った「あなたの隣にある貧困」という特集が組まれており、小説『蟹工船』の書評も載っています。ユニオン活動や、労働者の権利の問題などは、多くのNPOやボランティア活動などでは、無視されやすいものですが、ここではしっかり扱われています(このセンターで不当解雇が発生したことにも関係があるかもしれませんが)。

さらに「ボランティア」そのものについて真剣に考えられているような記述も随所にみられました。ボランティアは下手をすると「態の良いタダ働き」になりがちです。そして団体の性質上この部分には目をつぶっている公的機関も少なくありません。しかし『交流感電池』からはこのことにもしっかりと目を向けていこうとしている姿勢が見受けられます。

それから、このような施設の利用者や、中間支援組織では、いわゆる「ボラの人たち」「NPO業界」という言葉で表されるような、独自の専門性というか、オタク性をもった人たちも一定層おり、その「独特なノリ」のようなものに、とっつきにくさや、違和感のようなものを感じたりすることがあります。しかし『交流感電池』の紙面からはそういった雰囲気はあまり感じられません。

難点を挙げるとすれば、印刷に不鮮明な部分(特に写真がわかりにくい)があったり、ページの折り目が不揃いであったりする点です。些細な部分かもしれませんが、せっかくの中身なので、こういった部分で雑に見えてしまうのは、残念なことだと思います。

正直なところ、今までの公的な機関の広報紙や中間支援組織の情報誌というものは、あたりさわりのない記事で味のないものばかりか、助成金やNPO法人の取得方法などの専門的過ぎる内容かで、初心者や一般市民にとっては、よくわからないものばかりだったと思います。このような、ある意味「くだけた」情報誌が出せるようになったというのは、指定管理者を変更したことの、大きな成果のひとつなのかもしれません。

『交流感電池』は、名古屋のNPOセンターの情報誌ですが、都内でも意外なところで見かけることもあるようですので、みなさんも機会があれば一読してみて下さい。

次回はこの『交流感電池』について、こういった情報誌を作るようになった経緯など、編集部へ直接取材したものを元に記事を書きたいと思います。

なごやボランティア・NPOセンター
名古屋市・市民経済局(NPOセンターの管轄局)
ワーカーズコープ労協センター事業団(現在の指定管理者)
なごやボランティア・NPOセンター第2期指定管理者選定経過関係資料(旧指定管理者の一つ、ボランタリーネイバーズさんのページ
『KY解雇』が発生? 名古屋市の施設の指定管理者交代のその後
効率重視?指定管理者制度で「なごやボランティアNPOセンター」職員総入れ替え

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