愛知発「働いているのに、どうして食べていけないの?」~ワーキング・プアを考える

Esaman2008/09/26
現在、消費者庁をつくるという話が進んでいますが、そういった視点でネットカフェ難民など、ワーキングプアの問題を、総合的に考え政策を作る省庁が必要だと思います。貧困問題が、国会や選挙でも重要な課題になっていくような問題にならないといけません。
9月15日、愛知大学車道校舎で、日弁連人権擁護大会、プレシンポジウム「働いているのに、どうして食べていけないの?~ワーキング・プアを考える~」 が開催されました。会場となった愛知大学の車道校舎は、何年か前に大規模な工事が行われて、昔からあったクラブハウス棟などが整理されて、なんとも近代的 な装いになった建物です。
(中略)
●名古屋ふれあいユニオン、酒井徹さんのお話。

日建創業という会社から派遣されて、トヨタ車体というところで働いていました。ところが、去年の9月18日に突然10月9日に雇い止めになる、という通 知をもらいました。派遣業者の話では、トヨタ車体が160名の人員削減をしてくれ、と言ってきたからだ、とのことでした。ですが、1カ月前には通知するの が当然のはずなので、当時、運営委員として関っていた名古屋ふれあいユニオンを通じて団体交渉を申し込みました。団体交渉の結果、1カ月の休業補償、会社 の寮の使用、前職に見合う仕事の紹介、などを労働協約で交わすことができました。完全に勝利したと思いました。

ところが、1カ月たっても、仕事の紹介は一件もされませんでした。向こうのひとは「仕事の紹介はします。1年後か5年後か10年後かわかりませんが、し ます」とのことでした。そうして自分は寮を追い出されて、名古屋市のホームレス一時保護所、通称「熱田荘」と呼ばれている施設に入所しました。その施設に 収容されながら、労働争議を戦いました。この一件は愛知県の労働委員会にもちこまれて、最終的には、自分の言い分はほぼ認めてもらえる結果となりました。 そして、失業補償で職業訓練をうけて、なんとかアパートも借りることができました。

たとえ家を失っても、絶対に諦めない。当時、自分にいいきかせていたことです。例えホームレスになっても、労組の仲間を信じて戦えば勝てると信じてき て、実際に勝つことができました。そして自分は、今年の3月から名古屋ふれあいユニオンの運営委員長として活動をしています。今度は、自分の経験をいかし て、皆さんの問題を解決させていただく立場に立っています。私たちは、非正規雇用の人たちの問題や、外国人労働者のみなさんの問題など、あまり組織化され ない弱い立場の人たちの立場に立って戦う組合です。

連合の服部さんの話で、仲間で集まらないとダメ、というお話が出ていましたが、まさにその通りだと思います。今年5月、名古屋市の施設で、指定管理者制 度で運営されている、名古屋ボランティアNPOセンターで起こった事件を紹介します。ここで、ある職員の方が、即日不当解雇されるという事件がありまし た。この不当解雇に対して、職場の仲間は一致団結して取りやめにするように言ったのですが、上司にあたる人たちは「組織の決定だ」と繰り返すばかりですべ て無視、これに対して、NPOセンターの非常勤職員だった柴田さんという方が、その場で労組を結成し、団交を申し込みました。

この時にできた労組は、イキナリできたので「名古屋イキナリユニオン」という名前の労組です。そして、この不当解雇事件に対して、2日後に団交が行われ ました。名古屋イキナリユニオンは、施設の利用者や地域の人たちに広く呼びかけを行いました。団交当日には、わたくし酒井をはじめ、笹日労、市民運動の 方、NPOセンターの利用者の方、当該の方の恩師など、30人近くの人たちが駆けつけました。イキナリ労組は、駆け付けた人たち全員を団体交渉員に指名、 5時間に及ぶ交渉で、最後には不当解雇撤回を勝ち取りました。

多くの人は、こういった問題が発生したら労基所に行くと思います。ですが、労基所のハードルは高くて、動きもあまりよくありません。あまり突っ込んだ対 応をしてくれることも稀です。行ってガッカリする人も少なくありません。不当解雇されて、労基所にいくのではなくて「俺たちは労組だ」と言った。これはす ごいことだと思います。そして、このあと「イキナリ労組」は、名古屋ふれあいユニオンの分会として活躍、最近は職場の多くの人の支持を集めて、自治労から も援軍がやってきて、活躍しています。

日本の労働法は、意外と使える所のある法律です。多くの国の労働法では、職場の過半数を集めないと団交をする権利すらなかったりします。日本の場合は、2人集まればよいのです。しかも違う職場でもいいんです。

今回のイキナリ労組の戦いは、その制度を縦横に使って戦いました。イキナリ労組を立ち上げて団交を申し込み、その団交には、集まってきた職場以外の人を 大勢仲間にして戦った。すべて、労働組合法に書いてある労働者の正当な権利です。その法律の内容を、柴田委員長やイキナリ労組の人たちが、どれだけ知って いたかは、今では定かではありません。ですが、見事に戦ったのは事実です。日本には、このように世界でも最高クラスの労働法があります。これをもっと活用 して、みなさんも戦っていきましょう。

(中略)
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